法人化の経緯

企業年金制度の役割の高まりと充実に向けた動き

昭和61年の厚生年金保険法改正により、基礎年金制度の導入等の改正がなされた。公的年金と私的年金の果たすべき役割の理解が進んだ。即ち、公的年金は老後生活の基礎的部分を保証するものであり、多様化する高齢者の生活実態に応じたゆとりのある老後生活のために個々のニーズに応えるのは企業年金の役割との認識が拡がった。

昭和61年6月に閣議決定された「長寿社会対策大綱」に、企業年金制度の充実を図ることが盛り込まれた。

これにより、企業年金をさらに普及、発展させるため、各企業や従業員のニーズにあった制度設計、年金財政要件の弾力化が検討されることとなった。

厚生省ではこうした状況の中で昭和61年4月から、年金局長の私的諮問機関である「企業年金等研究会」(座長 山下眞臣環境衛生金融公庫理事長)を開催し、厚生年金基金制度のあり方について検討を開始した。

年金数理に関する資格制度(年金数理人制度)の実施

その中間報告の中で年金数理人の制度については、「年金数理業務及びその担当者の責任と役割は年金の成熟化に伴い、ますます重要となっている。」とあり、さらに「年金数理担当者は、高度な専門知識と経験に基づき客観的立場から、厚生年金基金の給付設計、財政の運営計画の策定及び財政状況の評価を担当するものであり、基金制度の普及とその的確な運営に大きな役割を果たすものである。今後、関係者の理解、合意を得つつ、その制度化に向けて積極的な検討を進める必要がある。」と述べられている。

また、このような考えを系統的、具体的にまとめた年金数理人制度に関する二つの重要な提言があった。その一つは、厚生年金基金連合会において船後正道全国労働金庫協会理事長を座長とする「企業年金における年金数理のあり方についての研究会」から昭和61年4月に出されたもので、「企業年金の多様化と自律的な発展を促すための制度運営の弾力化が求められており、その基礎となる責任ある財政運営体制を確立するため、高度の専門知識と深い経験を有し、公正かつ中立的立場から年金数理業務を行い、企業年金の財政運営に責任を持つ者の資格制度の創設」が提言されている。

もう一つは、同じく船後正道氏を座長とする厚生年金基金連合会の「年金数理懇談会」より昭和62年8月に出されたもので、「年金数理担当者の職業上の倫理規定、行動規範や数理業務遂行上の指針となる年金数理ガイドラインが必要である。」と提言されている。

これら報告を受けて厚生省では制度改正作業に入り、関係各機関の了承を得て閣議決定された改正案が国会に提出され、昭和63年5月に参議院で可決され成立した。改正の目的は年金給付の充実を図ることと、基金の一層の普及のための条件の整備を行うことであり、厚生年金基金制度の発足以来最初の大きな改正といえるものであった。この目的を達成するためのひとつとして、法176条の2が新たに設けられ、年金数理人制度が実施されることになった。

これは厚生年金基金の普及に伴い、健全な基金財政の下での制度の発展を目指し、その基本となる年金数理の専門家の育成を図り、年金数理業務体制をさらに強化拡充していくべきであるとの考えを実現したものであった。また制度の多様化・規制緩和を推進させるという効果を持つことも見過ごすことはできない。

102人が昭和63年9月1日に初の年金数理人として認定され、厚生年金基金及び厚生年金基金連合会が厚生大臣に提出する年金数理に関する書類は、年金数理人の確認を経て提出されることになった。

その後平成3年4月に国民年金基金制度が施行されるに際し、年金原資を事前積立する観点から、財政が適切な年金数理に基づいて運営されることを確保し、これにより加入員等の受給権を保護することを目的として、年金数理人制度が国民年金基金及び国民年金基金連合会にも適用されることとなった。

任意団体としての年金数理人会の設立

昭和63年9月1日に公的資格である年金数理人制度が発足し、職能団体を設立したいとの意向は、年金数理人全員の思いで、異論はなかった。そこで、そのような団体の設立準備を主たる任務とする世話人会を、制度施行直後に各業界の合意のもと設置した。世話人会は設立準備のみならず、その性格付け、特に社団法人日本アクチュアリー会との関係をどうするのかについても議論を重ね、まず任意団体として発足することで関係者の合意が得られ、世話人会設置後僅か半年の平成元年4月4日、年金数理人会の設立に至った。

設立後は、厚生省への提言、5周年記念シンポジウムの開催の他、年金数理人の資質向上のための定例的な研修の開催、実務基準の制定、会員への情報提供を目的とした会報の発行や広報等地道な活動を続けてきた。

社団法人日本年金数理人会の設立

その後、免除保険料率の複数化、金融自由化、規制緩和の流れの中で、年金数理業務の中立性・公平性の確保がますます要請されることとなり、法人化の検討がなされてきたが、必ずしも関係者の合意が得られなかった。

しかし、日本年金数理人会が設立されて9年が経過し、この間の活動が厚生省・基金等関係者に広く認められるとともに、基金制度における更なる規制緩和が指定年金数理人制度の導入に結びつくなど、年金数理人の実在感の向上と法人化の気運が高まり、平成9年12月社団法人発起人会を設立し、精力的に準備した結果、平成10年5月1日に社団法人日本年金数理人会の設立許可がおりた。

公益社団法人への移行

平成20年12月、公益法人制度改革関連3法の施行に伴い、当会は5年間の経過期間中に「公益社団法人」か「一般社団法人」へ移行することが必要となった。

当会は、もとより企業年金等の健全な発展のために広く公益に資する活動を行ってきたが、より一層活動を充実させるために公益社団法人へ移行することがふさわしいことから、平成23年5月の定時総会において、「公益社団法人」へ移行の方針を決議した。

公益社団法人移行に向けた幅広い検討と議論を重ね、そして移行認定申請を行った結果、平成25年3月に内閣総理大臣より公益社団法人への移行認定を受け、平成25年4月1日付で「公益社団法人日本年金数理人会」として新たなスタートを切ることとなった。

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